「前」 鎧櫃(よろいびつ)の「前」という文字は?

これは仏教用語からきたもので、真言密教の教文に「臨兵闘者皆陣列在前」(りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん) 戦いに臨む時、「守護の神仏がすべての陣列の前にあって敵を追い払う。という言葉があり、その意味を表わすために最後の「前」の一字をつけています。前、後ろを表示しているのではなく、戦いに勝つための縁起をかついだものなんですね。 ちなみに櫃という字の右のつくりの中は「貴」です。櫃とは貴いもの、大切なものをしまう箱。鎧は武士にとって最も大切なものだったのです。(参考:吉徳 よし得かわら版 より)