雛人形の価格を決定する場合、メーカーは主に人形、付属の飾りの品々、台・屏風の合計金額を販売価格としています。

その中で一番大きな要素を占めるのは人形の価格です。

お人形は頭と胴体に分かれます。頭は現在ほぼ本頭と呼ばれる作りで、

石膏ベースの頭の表面にトウソと呼ばれる桐の粉と正麩糊という糊を混ぜて作り、貝の粉を練り合わせた白い練り物を塗り、目、唇を加えます。

以前は、雛人形には本頭より高級な頭として本練頭と呼ばれるものがありましたが、

品質的に硬さに不足があるなど一定を保てないため現在はお目にかかることはありません。

「よく人形の鼻や耳が欠けた」などと年配の方が言われるお人形はこの本練頭ではないかと思われます。

このようなデメリットがある為、京雛の高級雛人形なども本頭を使用しています。

プラスチックの頭は現在は使われることは無いようです。

本頭自身に使用される材料は少量で、価格的に頭の単品で5万円~10万円と価格が違うことはあり得ません。

お顔の好みで選ばれる事が大切になってきます。

価格の違いの多くは人形の胴体部分の素材、生地、着せ付けの技法、着せ付け技術の良しあしで決まります。

まず、生地では大きく5段階ぐらいの違いがあります。

キラキラと金色に光っていると豪華で高級な生地に思いますが、雛人形で使用される一番高級な生地は「有職織物」です。

平安時代に貴族だけの衣装に用いられた織物で、無金の吉祥紋などの模様が代表的で人形用としてはコストも一番高く、メーターあたりも普及品の約10倍ぐらいはします。

雛人形の生地で二番目に高級なのは「帯地」、実際にご婦人が帯にするために作られたものを人形のお着物に使用します。

一本の帯地から 2組分、多くて3組分の生地分しか使用できません。

帯の価格にも大きな開きがありますが、高額な素材となります。

三番目に「帯柄」、こちらは人形用の幅広の生地に帯と同じ柄の物を織り上げていき使用します。

人形専用のためご婦人の着用される帯ほど横糸が太くありません。

四番目に「金彩友禅」お人形用の生地の上に型を使用して柄や金色のふちどり柄をえ描きます。普及品でもグレードが高い部類です。

五番目に「金欄」人形では一番多く使用されている生地です。

「一丁」「二丁」~「六丁」まであり金糸織りで色の数が多いほど高額ですが好みの柄も多く一番に普及しています。

 説明の上から高額になります。

次に、雛人形は機械でポンと作れるものではなく職人や作家が1つ1つ手作りして形を仕上げていきます。

左右対称に全体にバランスが美しく仕上げるためには長年の技を必要とします。

又、作家になればこだわりも強く、一体を形つけるために時間がかかり生産能率も低くなり価格的に考えると単価アップとなります。

雛人形を納得のいく美しい人形を作る為には長い時間が必要不可欠な事となります。 

胴は一般的には藁胴が使用されますが、最近では桐の木胴や手先なども木彫りの高級品を使うことが増えてきています。

お客様は人形のお顔に一番興味を持たれ注意を払われます。

しかし、胴の本体の作り込みにも目を向けていただくと、お選びいただく楽しみが増すものと思われます。